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金城哲夫アーカイブ

瀬名波 孝子

プロフィール

沖縄芝居の役者。金城哲夫が25歳のときに自主制作した映画『吉屋チルー物語』で、仲里按司の妻・真鶴を演じた。

 

発言内容

―金城哲夫との出会い
丁度50年前ですよね。金城さんといえばお母さんとお父さんはよく知っていました。「かどや」で自分の「みつわ座」の座員がいて、そこで働いてるよって、ああそうか。自分のお家から近いもんですから。
その人なんかの話がいって、丁度自分達の芝居が解散になった時期で、映画撮るったら、あっ映画って言ったら興味があって。「どんな撮るかね、どうしたらいいのかね」興味があって、話があって。「その劇団の連中を集めてちょうだい」という感じが。

 
―吉屋チルー物語の脚本と演出

そうです。それは金城さんが書いてもらって、日本語に書いたのを役者の佐川昌夫さんにお願いして「じゃあ方言に直してちょうだい」っていうような感じでやりました。
だから奥さん役もないし、奥さん役とチルーとの対面もなかったわけですよ、芝居の場合は。それを金城さんがもっと書き加えて、女同士の心と心のふれあいがあればいいじゃないかね、「あっこれはおもしろいですね」っといった感じで。
私はこの芝居の吉屋チルーやってるんだけど、私の場合(映画の配役では)仲里のウメェーの奥さんである。「面白いですね」って感じで乗ってしまって。
だから最初の印象とっても金城さんが主役だと思った。とってもキレイな人でね。

 
―金城哲夫さんの印象は?
役者みたいにスタイルもいいし、カッコいいし、「この人と相手するのかな」と思ってドキドキしてたんですよ。
「この人が脚本書く人なのよ」って初めてわかって、「あっそうなんですか」って感じでね。とってもキレイな人でね、私もほれぼれしてましたよ。
 
―撮影の人数について
少人数でね。沢山の連中集めたら、初めてだし、試しにやってるような感じがあるから。
じゃああっちのことも考えて、みんなでかけ…役を全部掛け持ちして。芝居やってる人だからいろんな変装しますよね。私は奥さん役も出ていながら村人のおばぁー役でハ―メ―役やったり、お芋かついだりしてましたからね。
だから楽しくなってからに。映画って面白いね。役かけてもわからないし。
 
―出演を振り返って

映画というものはこんなだったかというのを、自分も生活に追われて仕事もやらんといけないし、あれからずっと沖映に自分は入ってしまって、沖映で13年間やってましたのでね。

金城さんの噂を聞いて、ウルトラマンとか映画。「こんな偉い人だったんだね」とわかってしまって。

沖縄の芝居を映画で撮ってみたら世界中まわれますよね。これを残すのもいいねっと思って、自分なんか誇りに思ってますよ、映画に残ってしまって。あんたがた映画にでたことあるね、「自分なんかはウチナー芝居で映画に出たことあるよ」って感じで話も出来るし。文化を残すことができますよね。「いい事やってたんだね金城さんは」っていって。
今にして、悔しくてね。芝居の物をもっともっと撮っとけば、これ記念になるし資料が残っていきますからね。沖縄の文化が残ってるような感じがなるから。とっても喜んでいたんですよ。

(金城さんが)急にね亡くなって、もう本当に。もうどういって悔しんでいいかわからんかった。生きてたらね・・・。